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花と歩く

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キダチアロエ

Category - ススキノキ科

実は希少種。ワシントン条約で規制。キダチアロエ 

キダチアロエ 
ススキノキ科 ツルボラン亜科 アロエ属 
アフリカ原産 多年草
「アロエ」は、ツルボラン亜科アロエ属の多肉植物の総称。
絶滅のおそれのある野生植物として、ワシントン条約によって輸出入が制限されている。
CAM型光合成を行う、CAM植物(後述)。

キダチアロエ
2017.12.26 成長し、枝分かれするキダチアロエ。


アロエに、花が咲いています。
皆さんおなじみの植物です、が。
何科の植物かを調べるのに、思いのほか時間を取られてしまいました。
アロエは、分類体系によって、分類される科が変化してきたからです。

まずは、自分自身のための覚書も兼ねて、植物の分類体系についておさらいです。

  植物の分類体系
  エングラー体系 
   アドルフ・エングラーが1892年に提唱した分類方法。1936年までに11版まで改定した。
  新エングラー体系 
   エングラー体系を元に、ハンス・メルヒオールらが1953年(隠花植物と裸子植物)と1953年(被子植物)に発表した分類方法。
   日本では、被子植物の分野で、広く採用されてきた。
  クロンキスト体系
   アーサー・クロンキストが1980年代に提唱した、被子植物の分類体系。アメリカや中国で採用された。
  APG植物分類体系
   1998年に公表された被子植物の新しい分類体系。2003年に第2版が公表された。最新は2009年に公表された第3版。

ここで重要なことは、植物の分類体系はいまだ確定しているわけではなく、試行錯誤中であること、また、必ずしも全世界が共通の分類体系を採用しているわけではないという事だと思います。


さて、アロエの場合。
新エングラー体系ではユリ科。
クロンキスト体系では独立してアロエ科。
APG植物分類体系では、ユリ科に含められていたツルボラン属、シャグマユリ(トリトマ)属などとともにツルボラン科が独立し、ツルボラン科。
APG第2版では、「ツルボラン科はススキノキ科に含めてよいとされ」たとのことで、ススキノキ科なのかな?ツルボラン科という文献も有り。
APG第3版では、ツルボラン科はツルボラン亜科としてススキノキ科に含められ、ススキノキ科。

というわけで、最新の分類ではススキノキ科となります。
ややこしい
従来のススキノキ科の植物とは、オーストラリア原産の、ススキのように細長い葉を持つ木や草なのだそうです。
APG第3版ではこれにツルボラン科(アロエやツルボラン)、キスゲ科(ニッコウキスゲやヤブカンゾウなど)が亜科として含められました。
アロエとニッコウキスゲが同じ科とは、なんともビックリですね
パッと見、全然似ていない!!


キダチアロエは、「やけどに効く」、「胃腸によい」「便秘に効く」等と言われ、各家庭のお庭でよく栽培されています。
頻繁に見かける植物ですが、実はアロエは、ほぼ全種が、ワシントン条約(「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」によって保護されており、輸出入を制限されている植物なんです(唯一の例外・アロエベラは規制外)。
もちろんキダチアロエも保護対象。
例えば、日本国内で生産した、キダチアロエエキスが入った食品や化粧品を輸出する場合、輸出承認が必要となります。
こんなに身近な植物なのに、実は希少種とは、驚きですよね。

よく見かけるのに自生種としては実は絶滅危惧種、というのは、他にもキキョウやホトトギス(植物)など、結構存在します。
どれも身近で、よく見かける植物なだけに、意外に感じてしまいます。


キダチアロエは、「木立ちアロエ」の名の通り、茎が伸びて立ち上がります。

キダチアロエ
2017.12.30

キダチアロエ
2017.12.26 上から見たところ。葉は放射状に、重ならないようにつきます。

キダチアロエは、とにかく苦い印象ですが、葉の緑の外皮は苦いものの、葉内部の透明なゼリー質は、アロエベラと同様苦味がないことは、皆さんご存知でしたか?
乾燥に強く(CAM型光合成するCAM植物※)、数か月くらい水をあげなくても、枯れることはありません。
 ※CAM植物
  通常の植物は、昼に二酸化炭素を取り込み、光合成を行いますが、
  CAM植物は涼しい夜に二酸化炭素を取り込んで光合成に備え、暑い昼には気孔を閉じて水分の蒸発を抑えるのだそうです。
  砂漠などに生える多肉植物に多くみられます。
  以前ご紹介したスベリヒユもCAM植物です。

アロエベラよりも寒さに強く、関東以南では戸外で育ちます。
葉に水分が多いため、それより北では冬に凍ってしまい、育つことができません。

冬に赤橙色の花が咲きます。

キダチアロエ
2017.12.26、12.30

アロエは、熱帯を中心に500種類以上が生育しています。
日本で見かけるのは、キダチアロエとアロエベラがほとんどです。

アロエベラは、キダチアロエの10倍以上の大きさに成長するため、セリー質だけを取り出すことが容易です。
寒さに弱いため、日本では沖縄県でしか栽培されませんが、世界的には収率の良いアロエベラが最も多く栽培されており、主に食用にされています。
茎はなく根元から葉が伸び、花は黄色です。

この他、観賞用にいくつかの種類のアロエが販売されています。
ネットで調べてみると、小型種が多い印象ですね。
観賞用の多肉植物、流行っていますもんね


ところで。

ご近所に植えられていたアロエベラに似た植物、調べてみたら、アロエではなく、アガぺ(リュウゼツラン科リュウゼツラン属)という種類の植物でした
「蘭」と名は付いていても、ラン科ではなく、アロエにそっくりでもツルボラン科ではないのが、植物の奥深いところですね!
なお、サボテン(サボテン科)の中にも、アロエと見かけが似ている種類があります
さらに、さらに、ややこしい!!
見分けがつかない~!!


アロエ
2018.1.9 最も一般的なアガぺの種類、アオノリュウゼツランと思われます。
   花は20~30年に一度咲き、花が咲くとその株は枯れるのだそうです。切ない

アロエ
2018.1.10 多分これもアガぺの一種。これもアオノリュウゼツランなのかも?
    葉に模様が入っているのが面白いですね!他の葉の跡がついちゃうのかな??









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Category - ススキノキ科

6 Comments

ぱふぱふ  

こちらの植物園にもありますが・・背の高い所で咲いてるので
立て看板など配置して知らせていますが、いまいち人気がないのか素通りの方が多い
サボテンなどは写真写す人には素敵な素材ですから・・わたくしもよく見に行きます

2018/02/02 (Fri) 15:27 | REPLY |   

花歩  

ぱふぱふ様

キダチアロエは、毎年花が咲くとは限らない気がしていました。
暖かい冬にしか咲かないのかなぁと思っていましたが、今年の厳寒の中でも咲いているところを見ると、あんまり関係なかったのかな。
サボテンは、いろいろな種類があり、確かに素敵な素材ですね!
今回、いろいろネットで調べていて、アロエとリュウゼツランとサボテンが、これほど似ているとは思いませんでした。
お手上げ!!

2018/02/02 (Fri) 15:58 | REPLY |   

くぅ  

ひゃぁ~野生のお花なの。
でも、希少なのね。
咲いていたらびっくりするようなお花だね。

お花も調べると、不思議な親戚関係?
そのルーツもおもしろいね。

道ばたのお花に会いたいなぁ~
あと2ヶ月かなぁ・・・

2018/02/02 (Fri) 17:51 | EDIT | REPLY |   

ルシアン  

キダチアロエの化粧水

おはようございます。

我が家のキダチアロエは伸び放題です(汗)

実は母が生前、このキダチアロエで化粧水を
作っていました。

35度以上?の焼酎によく洗ったアロエの葉を
そのまま漬け込んで数か月・・・
(他に何かを入れていた覚えはないのですが
うろ覚えなのでごめんなさい)

出来た化粧水?には脱脂綿を浸して
それをよく使っていました。
入院生活が長かった母が病院仲間から聞いて
これは便利と作っていたものです。

私は化粧水等を使わないので、
あえてアロエ化粧水を作る必要もなく
アロエは伸び放題になってしまったわけです。

一昨年、大きな葉を結構刈りましたが、
また元気よく伸びてきています。

アロエの生命力の強さには驚きです。

2018/02/03 (Sat) 09:21 | EDIT | REPLY |   

花歩  

くぅ 様

道ばたのお花が恋しくなるよね・・・。
零下20度ではね・・・。

遅くても、春は来るよ。
道ばたに花は咲くし、くぅさんのクリスマスローズも、きっときれいに咲くよ!
待ってよう!!

アロエは、ほとんどが栽培種で、野生のものは、言われてみると見たことなかったな。
自生していないから、「すごく身近でよく目にするけど、絶滅危惧種」なんだ。
写真のお花も、3ヶ所で撮っているけど、全部人のお宅です。

2018/02/03 (Sat) 14:05 | REPLY |   

花歩  

ルシアン 様

お母様の思い出につながるアロエ化粧水なんですね。
そうやって、植物のの力を上手に生活に生かしていく姿にあこがれます。
素敵なお母様ですね。

アロエは、化粧品、食品として、いろいろ体によい成分がありそうです。
うまく使えると、楽しそうですよね。

アロエの生命力は、CAM型光合成を行う「CAM植物」であることと関係があります。
通常の植物は、昼に二酸化炭素を取り込み、光合成を行いますが、
CAM植物は涼しい夜に二酸化炭素を取り込んで光合成に備え、暑い昼には気孔を閉じて水分の蒸発を抑えるのだそうです。
砂漠などに生える多肉植物に多くみられます。
以前ご紹介したスベリヒユもCAM植物です。

2018/02/04 (Sun) 15:00 | REPLY |   

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