どっちがどっち?? サツキとツツジ
~ヒラドツツジ~
ヒラドツツジ
ツツジ科ツツジ属 常緑低木
ヒラドツツジは300種くらいある園芸品種の総称。
(ツツジ全体では、野生種・園芸種含め、1500種とも2000種とも言われる。)

2018.4.26
更新、ご無沙汰してしまってごめんなさい。
ぐずぐずしているうちに、ツツジが終わってしまいました。
桜が終わった後の、「心のすき間

庭木のほか、街路樹にもよく使われますね。

2018.4.27
ヒラドツツジは長崎県平戸市で、自然交配によって出現した交配種のうち、大輪系のものの総称。
高さは1~2メートル。
花が大きく、白、桃、紅、赤、紫など、変化に富んだ花色が魅力です。
交配が重ねられて、300種もの園芸品種があります。
ヒラドツツジの中で、最もよく目にするのは、オオムラサキツツジではないでしょうか。
土地を選ばず、大気汚染にも強いため、街路樹によく用いられます。
鮮やかな紫が華やかです。

2018.4.27 オオムラキツツジ
ツツジは、一株中の花が一斉に咲くので、咲き揃った姿は圧巻です。
街を、庭を、華やかに彩ります。
ここで気になるのが、ツツジとサツキの違い。
どっちがどっち?
ツツジとサツキ、どう違う??
大雑把に言うと、4月に咲いていたものは全部ツツジ。
GW明けから咲きだす、小さめの花がサツキです。
なので、現在咲いているのはサツキですね。
~違いその1 開花時期~
ツツジが、4月半ばからゴールデンウィークくらいまで咲くのに対し、サツキはGW明け位から咲きだします。
もともとサツキは、「サツキツツジ」という、遅咲きの野生ツツジの一種なのです。
なので、もちろんツツジ科ツツジ属。
旧暦の皐月に咲くことから、命名されました。
そのサツキを親にした園芸品種群すべてのことも、「サツキ」と呼んでいます。
庭木、街路樹にするほか、盆栽にも好まれます。
~違いその2 花・葉・背丈の大きさ~
サツキはツツジよりも、概して花が小さいです。
葉もまた、花と同様に小さい。
そして背丈も、サツキの方が低いんです。
~違いその3 葉の様子~
大きさだけではなく、葉の様子にも違いがあります。
ツツジの葉は比較的薄く、柔らかで、光沢がありません。
表面はガサガサしています。
対してサツキは、小さくて硬く、光沢があります。
表面はツルツルした感じ。

左)オオムラサキツツジの葉 2018.4.26
右)サツキの葉 2018.4.26
~違いその4 新芽の出るタイミング~
ツツジもサツキも、新芽が出るのは5月始め。
花期が異なるため、タイミングに違いが出ます。
先に花が咲き、花が終わってから新芽が出るのがツツジ。
新芽が先に出てからつぼみが育ち、花が咲くのがサツキです。

左)ツツジ。花後に新芽が伸びてきたのが分かります。2018.4.26
右)サツキ。黄緑色が新芽です。写真中央の少し下、新芽でない枝先にまだ青いつぼみが出来ています。2018.4.26
~違いその5 花の咲き方~
ツツジが、1株中の花が一斉に開くのに対し、サツキは2週間くらいかけて、順々に咲いていきます。
シャクナゲもツツジの仲間
さて、ツツジとサツキが仲間だというのは誰もが納得ですが、さらにもう一つ。
シャクナゲも、実はツツジ科ツツジ属で、ツツジやサツキの仲間なのです


2018.5.2
え、え、え、え~そうなの~?
全然違う花だと思っていたのに・・・。
でも、1つ1つの花をよく見ると、なるほど、ツツジと似ています。
ツツジ属の花を、日本では「ツツジ」「サツキ」「シャクナゲ」と区別して呼んでいます。
この呼び方は、世界的な植物分類上の呼び方とは違っています。
日本人の、サツキやシャクナゲに対するこだわりのあらわれでしょうね。
ちょっとややこしいですけどね。
なお、シャクナゲ(石南花)の葉は有毒です。
漢方薬の「石南(オオカナメモチ)」とも関係ありません。
お間違えなきよう。
Category - ツツジ科