秋の青い宝石 ノブドウ
ノブドウ
ブドウ科ノブドウ属 ツル性落葉低木
(ちょっとご紹介時期が遅くなりましたが・・・)
秋の、青い宝石が色づきました。
夏の終わりから秋にかけて青や紫に色づくこの実を見るのは、毎年の楽しみの一つです。

2017.9.5
ノブドウは、夏に黄緑色の小さく目立たない花を咲かせます。
花の形はヤブガラシと似ていますが、ヤブガラシのようにオレンジ色にはなりません。
花びらとおしべが咲いてすぐに落ちてしまうので、花としてはさらに地味な姿になりますが、残るお皿のような部分(花托)に蜜が多く、多数の虫が集まります。

2017.8.4 葉はおもに「ブドウの葉」型。 花は黄緑色。一見つぼみなのか花なのかわかりづらい、地味な形です。

比較) 左:ブドウ 右:ヤブガラシ
葉は互生。
花柄は葉と対生して付きます。
葉は、ブドウの葉を小型にした形が多いですが、変化が大きく、もみじのように深く切れ込んだものも珍しくありません。
切れ込んだものを、キレハノブドウと区別する場合もあるようです。

2017.9.7 葉が深く切れ込んだタイプ。 花と、青い実が付いています。
ツル性で、巻きひげで周囲にからみつき、伸びていきます。
茎は毎年枯れますが、基部は木質化します。

2017.8.7
目立たないノブドウが輝くのは、秋の実の時期です!
緑から紫を経て、水色に熟します。
ラピズラズリかターコイズか。
自然の美しさにウットリ

ノブドウ、大好きだ


2017.9.7 きれいな実は、しかし、毒はないものの、まずくて食べられません。残念。

2017.9.27 ブドウタマバエなどによる虫えい(虫の寄生によって、植物が異常発達すること)になると、実が大きくなるそうです。
あまりにキレイなので、家に切り枝を持ち帰り、花瓶に生けると・・・。
なんだかパッとしません。
太陽の下ではあんなにキレイと感じた実たちはなんとなく黒ずんで、むしろ汚らしく見えてしまいます。
本当にがっかり


やっぱり、野で愛でてこその「野葡萄」なのでしょう

このノブドウ、健康食品として実を焼酎漬けにした「ノブドウ酒」や、茎や葉を乾燥させた「ノブドウ茶」が販売されていたりします。
科学的に証明されているわけではありませんが、肝臓に効くと言われているそう。
花歩のお友達のお父さんは、お手製のノブドウ茶で実際に肝臓病がよくなったらしく、ご自身の経験から、お茶を作ってはお子さんであるお友達のところに送ってくれるのだそうです。
横浜の野生のノブドウは、排気ガスであまりきれいではないかもしれませんが、私も実際に作ってみました!

洗って、切って、天日干ししました。シリカゲルと一緒に密封して保存しています。
作るのも煮出すのもついつい面倒になってしまう

味は・・・。
特段おいしいわけではありませんが、まずいわけでもなく、飲み続けるのが苦にならない味です。
どこにでも生えている草ですし、結局は洗って乾かすだけなので、ご興味ある方は作ってみてはいかがでしょうか。
お友達のお父さんがおっしゃっるには、葉に劣らず茎がいいらしいです。
「40分は煮だした方がいい」と言われましたが、別の方には、「3~5分で8割がたの有効成分は出る」と言われました。
信じる通りでいい


あ。
飲用にあたっては、くれぐれも自己責任でお願いしますね

参考)ブドウ科の仲間
ブドウ科ブドウ属
:ブドウ、ヤマブドウ、エビヅル
ブドウ科ヤブガラシ属
:ヤブガラシ
Category - ブドウ科